車で向かった先の水着屋は空いていた。
狭い店の中に入ると、ショーウィンドウのガラスを通して、外の光がノスタルジックに木の床に落ちている。
店内には色とりどりの水着がズラリと並び、乃々と母親は、ぶつからない様気をつけて歩きながら、別荘で着る乃々の水着を探した。
「これになさいよ。可愛いじゃない」
オレンジの地にピンクと黄色のフリルの付いた派手な水着を母親が手に取ったので、乃々は首を振った。
乃々は自分の水着にはもっとシンプルなものが欲しかった。
薄い水色のなんにも付いていないシンプルな水着と、スカートの付いた青の水着を手に取って、乃々は見比べて考え込んだ。
「そんなのがいいの?。何でも良いけど。どっちにせよ今日中に選ぶのよ」
母親が言った。
ショッキングピンクのフリルのビキニを未練そうにしながら棚に戻して、母親はまた別のを手に取った。


