二階の広く明るいホールには卓球台が置いてあった。
階段を登り切った乃々が上を見上げると天井は高く一部ガラス張りで、夜に星がそこから見える様になっていた。
蒼空は乃々が来たのを見届けると、卓球台で壁打ちを始めた。
「来てからずっとやってる。お前じゃ相手になんない。」
「いつから居たの?」
「7月の初め。夏休み最初から。」
「何してたの?」
「色々。別に特別な事はしてないけど。」
「別荘どうだった?」
「部屋のデザインが洒落てる。やる事はあんまりないけど、まあまあかな。」
パン、とラバーで壁に向かって白い球を打つ。
「お前、どれくらい居るの?」
「夏休み終りまで。」
「ふーん、僕も終りまで居る。帰りは一緒かも。同じ年なんて珍しいね。どこから来たの?」
「……から」
「本当?。僕も……から。じゃあ僕達同じとこに住んでるんだな」
パン、と球を打つ軽い音。
「別荘に居る間はゆったりして過ごす予定。プールあるから入れるよ。あと何にもないけど。お前で遊ぶかな」
小さな球を打ちながら、蒼空は乃々を振り向いた。
「後で電話番号教えてね。」
乃々は母親が呼びに来るまで、壁際の籐のソファで蒼空の卓球を眺めていた。


