乃々と貸し別荘の話







 目的地に着いて、車から降りると、外は一面のひまわり畑だった。

 大振りな黄色いひまわりが所狭しと咲いて、遠く、向こうの方には、霞んだ青い山が連なって見えて、その上に雲が浮かんでいる。



 乃々はポシェットの肩ひもをドアに挟んでしまって、もう一度ドアを開けて貰わなければならなかった。


「ドジ。」


 蒼空が呆れ顔をした。


「綺麗ねえ!」


 車から降りた乃々の母親が、ひまわり畑を見回して言った。


「綺麗なひまわり。」


 ポシェットをドアから外して、サンダルを履き直した乃々に蒼空が言った。


「乃々空青いよ。この夏はきっと終わらないね。」