乃々と貸し別荘の話








 乃々が朝起きてリビングに降りていくと、キッチンで母親達がサンドイッチを作っていた。



「あら、乃々。早いじゃない」



 マーガリンを塗る手を止めて、母親が乃々に言った。

 パジャマ姿の乃々は目を擦った。

 今朝見た夢には蒼空が出てきて、夢の中で、2人は同じ学校に通っていたのだ。


「今日はひまわり畑に行くわよ」


 乃々の母親が言うと、キッチンで食パンを切っていた蒼空の母親が乃々に向かって笑顔を作った。




「晴れて良かったわ。天気予報では、雨って言ってたの」

「ほんとに」




 乃々の母親が言った。


「今が一番綺麗に見える頃なのよ。カメラ持っていかなきゃ」


 乃々の母親は今度は卵のボールにマヨネーズと刻んだバジルの葉を入れて混ぜ始めた。


「蒼空くんはもう着替えてるわよ。朝ご飯も食べてる。あなたもさっさと食べちゃいなさい」


 乃々は走って洗面所に向かった。