莉子はそう淡々と言い放つと私に背を向けた。今すぐ手を掴んで、私がすると叫びたい。
だけど、そう叫べるほどの余裕も、立てるほどの力も、今の私には何も残っていなかった。
悔しくて、悔しくて、前が何も見えない。
下を向けばボロボロと涙が零れてきて、床にポツポツとシミが出来た。
私はなんて馬鹿なんだろう。
どうしてずっと変われないんだろう。
「いやだ……っ、わたしは…諦めたくない…っ」
そう消え入るような声を吐き出したその時だった。
________ガンッ
壁を叩くような音がして、思わず顔を上げる。
「ひっ」
莉子の短い悲鳴が聞こえたかと思えば、私の目に入ったのは信じられないほど冷たい顔をした榊原さんの姿だった。
「こんなとこで何してんの、」
莉子が肩を震わせながら後ずさる。
「えっと…なんか、沙雪がこけちゃって…」
しどろもどろになりながら言葉を紡ぐ莉子の横を颯爽と通り抜けた榊原さんは、地べたに情けなく座り込む私の前にしゃがみ込んだ。



