「発表は私がする。だからアンタなんかいらないの。」
「な、何を言ってるの?」
莉子の言葉の意味が分からず眉間に皺を寄せた。
とりあえずこんな所で話し込んでいては埒が明かない。それどころか集合時間に間に合わなくなる。
今はプレゼンが最優先。
私は目の前で仁王立ちする莉子を避けて、倉庫を出ようと動いた。
その時、
「った……!」
まだ治りきっていない右足首を蹴り飛ばされたのだ。
あまりの痛みにその場に座り込む。
「へぇ、足首痛めたって言うのは本当だったんだ?御曹司の気を引くための嘘だと思ってた!ごめんね、痛い〜?」
痛みと悔しさで顔を歪める私を見て勝ち誇ったように笑う莉子。
「どうして、こんなことするの…」
「は?嫌いだからに決まってんでしょ」
吐き捨てるように言われた言葉に心臓を抉られる。
「私は……っ、私は莉子に話しかけて貰えた時すごく嬉しかったんだよ?やっとできた友達だって、そう思ったのに」
「悲劇のヒロイン面すんのもいい加減にしろよ」
私を見下ろす目は凍てつくほど冷たい。
莉子は初めから、私を陥れるためだけに近づいたんだ。
そう理解した時、堪えていたはずの涙がゆっくりと頬を伝った。
「プレゼンは私がするから心配しなくていいよ。皆には、沙雪は怖くて逃げたって言っといてあげるから。」



