甘々重々御曹司に愛されすぎて困ってます



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____そして、プレゼン当日。


あの日から今日まで、本当にあっという間だった。

皆で意見を出し合って、協力して。誰かとの共同作業は久しぶりで楽しくて、気づけば他のメンバーともたくさん話せるようになっていた。


確実にいいものになっている。私は手元のスクリプトを見ながら静かに頷いた。

みんなで頑張ったものを私が最後の最後で台無しにする訳にはいかない。その気持ち一心で、昨晩は何度もスクリプトを読み返し、見なくても話せるように口に出して練習した。

そのせいで若干寝不足気味だけど…。


ふぁ〜と欠伸を漏らし、腕時計を確認する。
もう少しで集合の時間だ。


「そろそろ会場に行っておこうかな」


そう独りでに呟いた時。


「沙雪!」
「あ、莉子!」


声がした方に振り返ると、私の方に手を振って駆け寄ってくる莉子の姿があった。


「どうかした?」
「ちょっと沙雪に最終確認しておきたい所があって。今時間いいかな?」
「うん!」


私がそう頷くと莉子は徐に私の手を引き、会場施設内の物置のような所へ足を踏み入れた。


「荷物、重いでしょ?持ってあげるね」


入るやいなや握られていた手は離され、持っていた荷物はひったくるようにして奪われる。

ーーーなんだか嫌な予感がした。


「荷物、ありがとう…。でも、こんな所で話すの…?」


返事がない。