甘々重々御曹司に愛されすぎて困ってます



それから莉子と他愛のない会話をしているといつの間にかセミナー開始の時刻になっていた。
資金投資や、近頃の情勢を踏まえた企業のあり方など、複数の講師たちから話を聞くことが出来た。いい勉強になったと思う。


それから少し休憩を挟んで、グループ内でのディスカッションが始まった。テーマは『公演を受けた上で自分たちが今進めたい事業』。今日を含めて3日で話をまとめ、最終日にアルファベット順に1グループずつ代表者1名が発表する。


数時間ほど話し合い、本軸は固まった。明日明後日で深みを付けて、パワーポイントを仕上げて完了。私以外皆優秀すぎて滞りなく物事が進んで行った。


そして最後、誰が発表者になるか…という話題が上がった。


私なんかがなれる訳がないと、どこか他人事で話に参加していると、莉子がパンっと手を打った。


「ねえ紗雪!なってくれない?」


みんなの視線が一斉に私へ集まった。


「え?私?」
「うん!だって沙雪、さっきから黙ってばかりだよね?発表くらいはお願いしてもいい?」


所々棘のある言い方に引っかかりながらも、周りのみんなもコクリと首を頷いている様子から、私がやるしかないのだと悟った。


「わ、わかった。私でよければ…やります」
「わーーありがとう沙雪!助かる〜」
「こちらこそ任せてくれてありがとう。頑張るね!」
「よろしく!」


莉子の声を皮切りに一斉に拍手が起こる。

最終日のことを思うと正直緊張で吐きそうだけど、こんな大役任せてもらったんだから、精一杯やり遂げたい。



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