甘々重々御曹司に愛されすぎて困ってます

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翌朝。スマホから鳴り響いた耳につくアラーム音が私を夢の世界から現実へと引き戻した。


「んー」


まだ眠い目を薄らとこじ開けながら、やっとの思いでアラームを止める。


寝ぼけた頭で何にも考えずベットから降りようとして、右足首に痛みが走った。その痛みで目が冴えて、急激に昨晩の事を思い出す。


……榊原さんと会うの、気まずい。

榊原さんに会いたくないかも、そう思ったのは初めてだった。

私はただ〝彼女〟という形を守っていればいい。榊原さんだって、その約束を守るために私に優しくしてくれているだけ。そう頭では分かっているはずなのに、どうしても榊原さんを見ると胸が苦しくなる。


「はぁ」


ついつい漏れてしまうため息。誰もいない今のうちに盛大にしておこうなんて考えて、一気に1年分くらいのため息をしてやった。


ベットの上に座ったままバットモードでいる事、5分。そろそろ準備しなければ遅刻しちゃうな、と私はようやく立ち上がった。

足首は、昨日に比べたら少しマシになったけど、まだ庇いながら歩く必要がある。周りに心配させないようにしないと。


初日に大量に運び込まれた荷物から、必要そうなものだけを取りだしてバックへしまう。こんだけ大量の荷物があるんだ、一人一部屋でよかった。


淡々と身支度を済ませ、部屋を出る。男女でフロアを変えてあって、女子は5階、男子は8階。おかけで榊原さんと鉢合わせしなくて済む。