日はもう既に落ちていて、辺りは真っ暗。持っていたスマホで道を照らしながら歩くけれど、夜の茂みはかなり不気味で恐怖が募る。
早く戻して帰ろう。
そう思い、歩くスピードを頑張って少し上げたようとした時。
「沙雪ちゃん、まって」
後ろから呼び止める声がして、立ち止まる。
「え、柳さん!?」
「こんな暗い所に一人で来たら危ないって思わない?やっぱり沙雪ちゃんってかなり馬鹿だよね」
「だ、だって!榊原さんは女性に囲まれて…たし…」
って、何を言ってるんだ私!榊原さんのせいなんかにして!柳さんの言う通り、私は馬鹿だ。
それ以上言う返す勇気も元気もなく黙りこくっている私に、追い打ちをかけるかのように柳さんが更に口を開いた。
「あと、いつまで嘘ついてるつもり?」
「え……?」
嘘………?サーッと血の気が引く。さっきの会話?妬いてるとか妬いてないとかの話の?もしかして、私なんかが榊原さんを好きだとバレた?!ちゃんと誤魔化せたつもりだけど?!
言い訳の言葉を足りない頭でなんとか考えていると、柳さんは急に私の足元に膝を着いた。
「や、柳さん?」
そんな柳さんにしどろもどろになっていると、急に右足首を持ち上げられた。
「っ、た」
「…ほら」
うそ、いつから……?
隠せてるって思っていたのに。
「なんで……」
さっき登山中に転んだ時、実は足も捻ってしまっていた。だけど気づかれたら2人に迷惑をかけるし、黙っていればそのうち痛みも引くものだと誤魔化していた。
「沙雪ちゃん分かりやすいから。見てたらすぐわかるよ。」



