甘々重々御曹司に愛されすぎて困ってます


山頂に着けば、もうほとんどの参加者が既にたどり着いていて、2人が私のスピードに合わせて登ってくれていたのだと気付かされる。


「金澤さん、傷大丈夫か?まだ痛むよな」
「いえ!もうすっかり元気ですので!」


心配そうに私の顔を覗き込む榊原さんに身振り手振りで元気さをアピールする。


「はは、沙雪ちゃん元気〜」


そんな私を見て、面白がるように笑う柳さん。


途中で怪我をしてしまったり、私の歩くスピードに合わせてくれたり。そんな迷惑かけまくりの私に怒ることなく接してくれるなんて、柳さんは実はいい人なのかも…と柳さんの笑顔を見て少し思った。


点呼で全員が登り切ったことの確認が取れると、記念として集合写真を撮り、せっかく登った山を降りることになった。


降りる時、なぜか榊原さんは私の傍にべったり付いて離れず、一言で言えば、かなり過保護だった。あの柳さんも少し呆れるほどに……。



そんなこんなでようやくスタート地点に戻ってくると、既にBBQの準備がされていて胸が踊った。登山はかなり疲れたし、お腹もぺこぺこ。


『はーい皆さんお疲れ様でした!10人1組で集まって、各々で始めてくださーい』


人が集まってくるやいなや、拡声器を使ったスタッフの声が響いた。


10人1組か…とりあえず私と榊原さんと柳さん、あと7人も集めないといけない、大変だ。



………なんて不安は一瞬にして消え去った。


なぜならば、


「あの〜、一緒にいいですか?」


綺麗な女性5人組がそう声をかけてくれたから。

やった、友達になれるかも!なんて思ったのも束の間。5人の目が見事に私をスルーしている事に気がついた。あからさまに榊原さんと柳さんだけを写し出している。……いつの間にか輪から放り出されている私は空気かな??


「はい、よろしくお願いします」


仕事モードONの榊原さんは、ニコリと微笑みながらそう返答した。柳さんもニコニコと笑顔を貼り付けたまま対応している。そんな2人に湧く女性たち。間違いなく私は邪魔者扱い……。


残りふたりはどうしようなんて迷う間もなく、要領のいい柳さんが適当に連れてきた男性2人で、すぐに人数が集まった。