甘々重々御曹司に愛されすぎて困ってます


重力に抗えず、砂利道に体を打ち付ける。


「金澤さん!」


前を歩いていた榊原さんの少し焦りの混じった声が聞こえたかと思うと、勢いよく肩に添えられた手。


「大丈夫か?!悪い、俺がちゃんと見てなかったせいで。どこか痛む?怪我は?足ひねった?」


質問攻めの榊原さんに珍しくいつもの余裕はなく、少し切羽詰まっているように見えた。


「榊原さん、すみません。私は全然大丈夫です。ちょっと躓いてしまって」


私を心配そうに見る榊原さんに笑いかけ、よいしょと体を起こす。


「ほら!ジャンプもできます!ちゃんと手をついて転けたので頭も打ってませんし、足も捻ってませんよ」

「馬鹿野郎!血出てんだろ。無理すんな」


飛び跳ねようとする私の腕を強く掴み、真っ直ぐとした目で見つめられる。


「ごめん、金澤さん」
「なんで、…どうして榊原さんが謝るんですか」


榊原さんはちっとも悪くないのに。


本当は痛くて、情けなくて、そんな自分を悟られたくなくて笑顔を繕っていたのに。榊原さんが私なんかを心配してくれるせいで、涙腺が緩む。