「まじで危ないから。やめなよ」
まっすぐ私を見つめながらそう言い放った男に、何故だか胸がぎゅっとなった。もしかして、私のことを心配して来てくれた…?わざわざ?他人のために…?
未だ私の腕を掴んで離さない謎の男に少しグッと来てしまっているのは、アルコールが回っているせいか、気が滅入っているせいか…。
見つめ合っているのが若干気まずくなって、地面へ視線をスライドさせる。
「わ、わかりましたから…とりあえず離してください」
「あーごめん」
呆気なく解放された腕を、今度は掴まれまいと体の後ろに回した。
「それでは」
今度こそ、と踵を返したがこれもまた阻止される事となる。
「恋したいんだろ」
なぜかもうすっかり敬語が外れてしまっている謎の男の言葉に足を止めた。



