甘々重々御曹司に愛されすぎて困ってます


❁⃘*.゚


「あんた、荷物多すぎだろ」


待ち合わせ場所のエアポートで出会って開口一番、榊原さんは無表情…いや、若干引き気味でそう言い放ってきた。


「だ、だって1週間ですよ?何があるかわからないじゃないですか!」


着替えに、メイク道具に、もしもの時の救急用品、タオルもたくさん使うだろうし、日中雨に降られたらカッパもいるし、メモや筆記用具も……なんてあれこれ考えていたら、気づけば大量の荷物の出来上がりだった。


「まぁ別になんでもいいけど。運ぶのしんどくなったら手伝うから言えよ」

「あ、ありがとうございます…」


この不意打ちの優しさ……とても心臓に悪い!!榊原さんは何も考えてないんだろうけど。だからこそ受けたくない優しさというか……。


なんて悶々としながら、私と比べて随分と身軽な榊原さんの後を追って会社から支給されたチケットで船に乗り込んだ。

榊原さんと2人がけの席に座るのはいいが、ここで問題がひとつ。


「金澤さん、狭い?」
「わ、私は全然!榊原さんは大丈夫ですか?」


私が大荷物で来てしまったばっかりに、荷物おきに私の物しか置くことが出来ず…。しかも足元に置けるような広さも無かったため、榊原さんの荷物は座席に無理やり置くことに。

そのせいで、2人がけの席なのに3人で座っているかのような窮屈さ。距離が、あまりにも近すぎる。


「大丈夫。悪いな」
「いえ、私が謝るべきことです……」


気まずい。そして申し訳ない。けれど今はそのどんな感情よりも恥ずかしいが勝つ。こんなドキドキしてしまっているのは私だけだろうから、絶対悟られたくない。ここはなんとか平常心を装わなければ。