そして、それから15分ほど待って運ばれてきたオムライスは見るからに美味しそうで、私も榊原さんもヨダレを垂らしそうになりながら、大きなひとくちを頬張った。
「んぅ〜美味しい!」
「だろ!」
「なんで榊原さんがドヤるんですか」
あまりの美味しさに唸れば、榊原さんは満足そうに笑った。
「俺が古参だからな」
「ふふっ、教えてくれてありがとうございます」
榊原さんが自分の〝好き〟を教えてくれた事がこんなに嬉しく感じるなんて。あんな冗談みたいな出会い方をした相手と今こうして一緒にご飯を食べている事実に正直ビックリだ。
「あの日」
「ん?」
「歩道橋にいる私を見つけてくれてありがとうございます。なんだコイツって最初は思いましたけど…、今は、あの時榊原さんに会えて良かったなって思います」
急に何を話し出すんだ、と呆気にとられたような表情を浮かべる榊原さんに少し笑ってしまう。
「(仮)みたいなこの関係も、榊原さんの助けになれるのなら続けてもいいです。」
自分でも理解できない感情だ。正直こんなあやふやな関係、私にとってなんの得にもならない。けれど、榊原さんの役に立てるなら、その謎役ぐらい買ってやらなくもない。今は何故か、そう思えてしまう。
「ま、まぁ、私秘書ですし?仕事の一環としても捉えて、それくらいなら出来るかと」



