そっか……私のこと、ちゃんと見ててくれた人がいたんだ。
「有山課長…本当にありがとうございます。私、期待に応えられるように頑張ります」
「うん、がんばれ!でもまぁ何かあったらいつでも企画課に戻ってきな?待ってるからね」
「はい!!」
有山課長、本当にどこまでも暖かい人だ。
じゃあね、と手を振る有山課長の後ろ姿を見送ったあと、私は榊原さんの部屋へと再び足を動かした。
が、丁度廊下の角を曲がった先で、見覚えしかないでかい男が気まずそうに立っていた。
「あ、悪い」
榊原さん。偶然にも程がある。
もしかして…と顔を歪めながら問いかける。
「さっきの話、盗み聞きしてたんですか?」
「人聞き悪いな!たまたま耳に入ったんだよ、たまたま、偶然、仕方なく。」
「それを盗み聞きと言うのでは…」
「ハイハイ、スミマセン」



