甘々重々御曹司に愛されすぎて困ってます

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榊原 倫太郎side
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車に揺られて数十分。
気づけば隣でスヤスヤと寝息を立てている金澤さん。本来であれば叩き起してやりたい所だが…、今日は大目に見てやるとする。


「よほど緊張したんだな」


気が抜けたように眠る無防備な横顔に、自然と頬が緩んだ。自分の上着を脱ぎ、起こさないよう金澤さんの肩に掛ける。

こんな小さな体を震わせながら、よくもまああんな大舞台で喋れたものだ。


____それにしても、柳颯馬。あいつはすごい。

颯馬は昔から頭が良くて、計算高く、それでいて強かなやつだった。だから颯馬が金澤さんの存在を知れば、彼女を使って俺に何かしてくるに違いないと確信していた。

だから2人を会わせないように、目立たないよう、あえて俺一人で行動する決断をしたのに。

これが返って悪い方に傾くとは。

金澤さんには本当に悪い事をしたと思う。


ふと金澤さんの方へ再び視線をやる。と、その時、車体が大きく揺れ、窓ガラスの方へ金澤さんの体が傾いた。

このままでは頭を打つ。そう思った俺は咄嗟に彼女の体を自分の方へ引き寄せていた。


「…っぶね」