甘々重々御曹司に愛されすぎて困ってます


挨拶が終わったと思い、まばらに拍手が上がり始めた矢先、柳さんは再び口を開いた。


「ではここで、私の友人からお祝いの言葉を頂きたいと思います」


友人……?もしかして……!


咄嗟に榊原さんを探す。すごいな、榊原さんはこんな大きな会場でたくさんのお偉いさんを前にして話をするのか。やっぱり住む世界が違うんだ。



「金澤紗雪さん、どうぞ前へ」


うんうん、頑張って金澤紗雪さん…貴方なら……

……。


「は?」


聞きなれた名前がマイクを通って聞こえた気がする。え、嘘だよね。私いつから貴方の友人に…?

予想外すぎる展開に思考が追いつかずその場に立ち尽くしていると、私の顔を眩いライトが照らした。


「紗雪さん、お願い」


柳さんの指示通り動いた照明さんによって、私は一斉に注目を浴びた。まるで、もう逃げられないよ、と言われているかのよう。

そんな両手両足を縛られたような状況下で、当然抗うことは出来ず、右手右足、左手左足と散々なウォーキングを見せながらステージにあがった。