「秘書として、こちらに参加させていただいています」
「あぁ。そういう事ですか。まぁ、そういう感じだろうと思いました。浮いていましたから、貴方」
やっぱり胡散臭い嫌な奴だった。どうして私の前に現れる男は、こうして感じの悪いやつばかりなのだろうか。
「失礼いたしました」
「いいえ。ところで何処にお勤めで?」
「榊原グループです」
私がそう言った途端、目の前の彼は大きく目を開いた。榊原さんとは違う真っ黒な瞳に照明が反射して輝く。この人も相当綺麗な顔立ちをしている。
少し猫目気味の二重の目、長いまつ毛、薄く上品な唇、鼻筋の通った高く小さい鼻。下ろせば恐らく肩につく程度の黒い髪を1つに縛っている。中性的な美しさがとても眩しい。
「…そうでしたか。倫太郎の秘書、ですか?」
少し意味ありげに顔を傾けてそう私に問いかける彼に、「そうです」と返事をしつつ、まさかの倫太郎呼びに驚く。この人、榊原さんと仲がいいのだろうか。
なんて疑問も解消できるはずもなく、目の前の彼は胡散臭い笑みを再び顔面に貼り付けた。
「へぇ、優秀な方なんですね。何ヶ国語話せるんです?」
こ、こいつ…!!どこまでも嫌味なやつ。顔がいいからって何を言っても言い訳じゃないっての〜!
「に、日本語しか話せません、けど…」



