ふと、視界の端に映ったのは細く笑みを浮かべる同僚の顔。
____あぁ、そういうこと。
全て悟って無になる。
私、この人に躓かされたんだ。
床に倒れ込むまでの時間が妙にスローモーションのように感じられる。
今までこの部署で3年間、自分なりに頑張ってきたつもりだったけど、全て意味が無いものだったんだな。
仕事が出来ないポンコツ。
要領の悪い出来損ない。
分かってはいたけれど。3年間の最後がこれって、辛いなぁ。認められたかったな。
重力に抗えず、そのまま傾斜していく体。痛みへの恐怖に目を瞑った。
____けれど。
その痛みは一向に襲ってこない。
甘く心地よい香りが鼻腔を擽ったのと同時に、支えるように肩をがっちりと抱かれた感覚にゆっくりと目を開けた。



