と、そんな私を見るなりザワザワし始める同僚たち。もう私が秘書に抜擢されたという情報が流れているらしい。
もちろん、〝すごい〟だとかそんな賞賛の言葉などは一切聞こえてこない。
〝「なんで金澤さんが?」
「まぁ、金澤さんの代わりに次誰か優秀な人がくるんだしいいんじゃない?」〟
〝「金澤さんに秘書なんか出来ないでしょ」
「要領悪いくせに。」〟
わかる、わかんの、自分が1番わかってんの!!なんて内心強気に出てみるけど、隠そうとしない同僚たちの悪意に満ちる言葉に、心が疲弊していくのが分かる。
昨日たまたま聞いた会話も、やっぱり聞き間違いじゃなかったんだな。
同僚の顔を見ないように下を向いて歩き、自席へやっとの思いで辿り着く。デスクに散らばっているプリントや、自分の持ち物を急いでまとめ、近くにあったダンボールに詰め込んだ。
そして軽く会釈をし、オフィスを去ろうとした時。
「…ぎゃ!」
ダンボールを抱えているせいで足元が見えづらく、何かに躓いて重心が前に傾いた。



