「まあ落ち着けって…ああしてると、なんか猫みたいで意外とかわいく見えてこないか?」
山岸はニヤリと笑って、そう言った。
「猫かあ……」
山岸の言葉に、ふとおばあちゃん家の飼い猫のミケを思い出した。
気まぐれでツンツンしてて、抱っこしようとすると全力で逃げるくせに、誰もいない日にはこっそり近くに寄ってくる。
そっけないけど、たまに見せる甘えがたまらなくかわいかった。
確かに矢吹のそっけなさはミケと似ているかも。
そう考えると、さっきの態度も少しだけ許せるような気がして───────
いや、気が『しかけた』だけだった。
ふと、さっきの矢吹の言葉が頭をよぎる。
『……はあ、どうも』
無表情で淡々と告げられた言葉。
三年生の先輩に褒められた一年生の態度とはとても考えられない。
