ありがとうのひと言も、笑顔のひとつもなし。
ほんの少しでも嬉しそうにしてくれたら。
とか、ちょっとでも期待した私がバカみたいじゃない。
そう思うと、段々と腹が立ってきた。
「汐織ー、あんま気にすんなって」
後ろから声をかけられて振り返ると、同じ三年生の山岸がボトル片手に近づいてきた。
「勝利は入部した時からあんな感じだ」
「…まさか、ここまで無愛想だとは思ってなかった」
入出だったら、少し褒めただけで散歩に行く犬みたいに喜ぶのに。
その後は分かりやすく調子に乗って、他の部員からうざがられるのに。
それくらい分かりやすければ、かわいげもあるのに。
