「翔ー、さっきのパスあんま見えてなかっただろ」
「いやいや余裕でしたって!むしろ先輩の動きは読みやすかったですよ」
笑い声と軽口が飛び交うコートの隅。
まるでずっと前からこの部にいたみたいに、誰とでも自然に打ち解けてしまう存在。
それが、私が注目している一年生の一人、入出翔だ。
元気で人懐っこくて、まさにムードメーカー。
実力も十分にあって、意外と周りをよく見たプレーをする。
あっという間に先輩たちの懐に入り込んで、今じゃもうすっかりかわいがられていた。
けど、入出以上に気になっている一年生がいる。
