直は、
少し離れた場所で、
別の客と話していた。
声は低く、
言葉は多くない。
それでも、
相手の言葉が終わるまで、
視線を外さない。
グラスを置く手も、
急がない。
ひかりは、
その様子を、
無意識に目で追っていた。
優しい言葉を、
かけているわけじゃない。
励ましているわけでも、
距離を縮めているわけでもない。
ただ、
相手の話を、
そのまま受け取っている。
結婚式の打ち合わせで、
新郎新婦の話を聞くときと、
少し、似ている。
違うのは、
そのあとだ。
彼は、
何も背負わない。
私は、
いつも、
誰かの期待を背負ってきた。
正解を出して、
場を整えて、
先回りして。
でも、
この人の前では、
何もしなくていい。
だからだ。
この人が、
好きなのは。
そう思いかけて、
ひかりは視線を逸らした。
直が、
ひかりの視線に気づいて、
こちらを見る。
「お待たせしました」
いつもと同じ声。
それなのに、
胸の奥が、
少しだけ騒いだ。
理由は、
もう、
わかってしまっていた。
少し離れた場所で、
別の客と話していた。
声は低く、
言葉は多くない。
それでも、
相手の言葉が終わるまで、
視線を外さない。
グラスを置く手も、
急がない。
ひかりは、
その様子を、
無意識に目で追っていた。
優しい言葉を、
かけているわけじゃない。
励ましているわけでも、
距離を縮めているわけでもない。
ただ、
相手の話を、
そのまま受け取っている。
結婚式の打ち合わせで、
新郎新婦の話を聞くときと、
少し、似ている。
違うのは、
そのあとだ。
彼は、
何も背負わない。
私は、
いつも、
誰かの期待を背負ってきた。
正解を出して、
場を整えて、
先回りして。
でも、
この人の前では、
何もしなくていい。
だからだ。
この人が、
好きなのは。
そう思いかけて、
ひかりは視線を逸らした。
直が、
ひかりの視線に気づいて、
こちらを見る。
「お待たせしました」
いつもと同じ声。
それなのに、
胸の奥が、
少しだけ騒いだ。
理由は、
もう、
わかってしまっていた。
