気づけば、
夜の空気が、はっきり冷たくなっていた。
そういえば、
あの夜のあと、
もう一度だけ一緒に食事をした。
仕事が少し早く終わった、
風の強い日だった。
「近くに、軽く食べられるところがあります」
直がそう言って案内したのは、
人通りの少ない通りにある、小さな店だった。
カウンターと、テーブルが二つだけ。
落ち着いた照明と、
静かすぎない空気。
料理を待つ間、
二人とも、スマートフォンを見なかった。
仕事の話を少し。
最近忙しい時期のこと。
それから、たいした意味のない話。
気づけば、
ひかりは緊張していなかった。
言葉を選ばなくてもいい。
沈黙があっても、埋めなくていい。
それが、当たり前になっていることに、
あとから気づく。
「このあと、どうします?」
直が聞いた。
時間は、まだ早かった。
「……もう一軒、行きますか」
直は、少しだけ考えてから頷いた。
「前に行ったところ、覚えてますか」
「はい」
その一言で、
胸の奥が、ほんの少しだけ動いた。
夜の空気が、はっきり冷たくなっていた。
そういえば、
あの夜のあと、
もう一度だけ一緒に食事をした。
仕事が少し早く終わった、
風の強い日だった。
「近くに、軽く食べられるところがあります」
直がそう言って案内したのは、
人通りの少ない通りにある、小さな店だった。
カウンターと、テーブルが二つだけ。
落ち着いた照明と、
静かすぎない空気。
料理を待つ間、
二人とも、スマートフォンを見なかった。
仕事の話を少し。
最近忙しい時期のこと。
それから、たいした意味のない話。
気づけば、
ひかりは緊張していなかった。
言葉を選ばなくてもいい。
沈黙があっても、埋めなくていい。
それが、当たり前になっていることに、
あとから気づく。
「このあと、どうします?」
直が聞いた。
時間は、まだ早かった。
「……もう一軒、行きますか」
直は、少しだけ考えてから頷いた。
「前に行ったところ、覚えてますか」
「はい」
その一言で、
胸の奥が、ほんの少しだけ動いた。
