祝福のあとで


街の喧騒から少しだけ離れた場所に建つ
【チャペル・ド・ルミエール】でウェディングプランナーとして働いて、もう五年になる。

白い建物に差し込む光は、時間帯によって表情を変える。
 朝は柔らかく、昼は眩しく、夕方には少しだけ影を落とす。
 私はその変化を、誰よりも近くで見てきた。

 式の流れも、トラブルの芽も、新郎新婦の表情の揺れも。
 どこで声をかけるべきか、どこで黙るべきか。
 考えなくても、体が先に動く。

 ——仕事としては、もう完璧に近い。

 ウェディングプランナーは、祝福する側の人間だ。
 主役にはならないし、拍手の中心にもいない。
 それでも、誰かの人生でいちばん大切な一日に立ち会う。

 「向いている仕事ですね」
 そう言われることも多い。

 たぶん、それは本当だと思う。
 人の話を聞くのは苦じゃないし、感情の波に飲まれすぎることもない。
 泣いている新婦の隣に、冷静に立てる。

 ——少し前までは、それを誇らしいと思っていた。