それから、
ほんの少しだけ笑った。
苦笑に近い。
「……俺が」
声は低く、
周りの喧騒に溶ける程度。
「本当は、
幸せにしたかったんですけどね」
直の視線が、
初めてはっきり止まる。
あきは、
その反応を見て、
もう一歩だけ踏み込んだ。
「ルミエールで一緒に仕事したあと」
淡々とした口調。
「ひかりに、
復縁しようって言いました」
事実を置くだけの言い方。
挑発でも、
自慢でもない。
でも、
確実に刺す言葉。
「……断られましたけど」
そう付け足して、
あきはグラスに口をつける。
一口。
それから、
独り言みたいに、でも確かに直に向けて言った。
「俺と別れたあと、
誰とも付き合ってないって噂、聞いてたんで」
氷が、軽く鳴る。
「……正直、
まだ行けるかなって思っちゃいました」
笑いを含んだ声。
でも、照れでも冗談でもない。
“期待してしまった”という事実だけが残る言い方。
直は、
その言葉を遮らない。
ただ、
一度だけグラスを置く音を止めてから言う。
「それは」
静かに。
「ひかりを、
ちゃんと見てなかったってことですね」
きっぱりと。
あきは、
一瞬だけ言葉を失ってから、
肩をすくめた。
「……そうかも」
否定しない。
「だから、
今ここに立ってるんでしょうね」
その言葉は、
自嘲にも、納得にも聞こえた。
ほんの少しだけ笑った。
苦笑に近い。
「……俺が」
声は低く、
周りの喧騒に溶ける程度。
「本当は、
幸せにしたかったんですけどね」
直の視線が、
初めてはっきり止まる。
あきは、
その反応を見て、
もう一歩だけ踏み込んだ。
「ルミエールで一緒に仕事したあと」
淡々とした口調。
「ひかりに、
復縁しようって言いました」
事実を置くだけの言い方。
挑発でも、
自慢でもない。
でも、
確実に刺す言葉。
「……断られましたけど」
そう付け足して、
あきはグラスに口をつける。
一口。
それから、
独り言みたいに、でも確かに直に向けて言った。
「俺と別れたあと、
誰とも付き合ってないって噂、聞いてたんで」
氷が、軽く鳴る。
「……正直、
まだ行けるかなって思っちゃいました」
笑いを含んだ声。
でも、照れでも冗談でもない。
“期待してしまった”という事実だけが残る言い方。
直は、
その言葉を遮らない。
ただ、
一度だけグラスを置く音を止めてから言う。
「それは」
静かに。
「ひかりを、
ちゃんと見てなかったってことですね」
きっぱりと。
あきは、
一瞬だけ言葉を失ってから、
肩をすくめた。
「……そうかも」
否定しない。
「だから、
今ここに立ってるんでしょうね」
その言葉は、
自嘲にも、納得にも聞こえた。

