一瞬、
何の音かわからなかった。
もう一度。
ピンポーン。
——インターホン。
ひかりは、
心臓が跳ねるのを感じながら、
ゆっくり玄関へ向かう。
モニターを覗いて、
息が止まった。
そこにいたのは——
直だった。
少しだけラフな服装。
長旅のあとみたいな、
でも、いつもの落ち着いた顔。
ひかりは、
その場で動けなくなる。
ドアを開ける前に、
直の声が聞こえた。
「……遅くなってごめん」
鍵を開けて、
ドアを開ける。
「……どうして」
言葉が追いつかない。
直は、
ひかりを見て、
小さく笑った。
「誕生日」
それだけ。
「会いに来た」
それ以上、
理由は言わなかった。
ひかりの胸が、
一気にいっぱいになる。
「……今日、仕事」
「知ってる」
「直も忙しいのに」
直は、
一歩だけ近づく。
「それでも、
今日がよかった」
ひかりは、
何も言えなくなって、
そのまま直に抱きついた。
直の腕が、
すぐに応える。
強くない。
でも、迷いがない。
「……おめでとう」
耳元で、
低い声。
「生まれてきてくれて、
ありがとう」
その言葉で、
ひかりの目が熱くなる。
「……来なくても」
「うん」
「来なくても、
大丈夫だった」
直は、
少しだけ腕に力を込めた。
「それでも、
来た」
ひかりは、
小さく笑って、
直の胸に額を預けた。
——時差も、距離も、
ちゃんと越えてきた。
それだけで、
十分だった。
この誕生日は、
きっと、
一生忘れない。
何の音かわからなかった。
もう一度。
ピンポーン。
——インターホン。
ひかりは、
心臓が跳ねるのを感じながら、
ゆっくり玄関へ向かう。
モニターを覗いて、
息が止まった。
そこにいたのは——
直だった。
少しだけラフな服装。
長旅のあとみたいな、
でも、いつもの落ち着いた顔。
ひかりは、
その場で動けなくなる。
ドアを開ける前に、
直の声が聞こえた。
「……遅くなってごめん」
鍵を開けて、
ドアを開ける。
「……どうして」
言葉が追いつかない。
直は、
ひかりを見て、
小さく笑った。
「誕生日」
それだけ。
「会いに来た」
それ以上、
理由は言わなかった。
ひかりの胸が、
一気にいっぱいになる。
「……今日、仕事」
「知ってる」
「直も忙しいのに」
直は、
一歩だけ近づく。
「それでも、
今日がよかった」
ひかりは、
何も言えなくなって、
そのまま直に抱きついた。
直の腕が、
すぐに応える。
強くない。
でも、迷いがない。
「……おめでとう」
耳元で、
低い声。
「生まれてきてくれて、
ありがとう」
その言葉で、
ひかりの目が熱くなる。
「……来なくても」
「うん」
「来なくても、
大丈夫だった」
直は、
少しだけ腕に力を込めた。
「それでも、
来た」
ひかりは、
小さく笑って、
直の胸に額を預けた。
——時差も、距離も、
ちゃんと越えてきた。
それだけで、
十分だった。
この誕生日は、
きっと、
一生忘れない。

