玄関の方から、
靴を脱ぐ音が聞こえた。
続いて、
控えめな足取り。
ひかりは、
リビングの手前で立ち止まり、
小さく背筋を伸ばす。
先に姿を現したのは、
直だった。
そのすぐ後ろに、
由里が続く。
室内に入った瞬間、
由里の視線がひかりに向かう。
一拍。
直が、
迷いのない声で言った。
「……ひかり。
俺の、恋人」
それだけ。
余計な説明も、
照れた様子もない。
事実を、
そのまま置くみたいな言い方。
その声を聞いたとき、
ひかりは、
ほんの一瞬だけ引っかかった。
直が名前を呼ぶとき、
その響きだけが、
少しだけ特別に聞こえた。
理由は分からない。
ただ、
他人に向ける呼び方とは、
どこか違う気がした。
ひかりは、
その言葉を受け取ってから、
静かに頭を下げた。
「はじめまして」
由里は、
一瞬きょとんとして、
それから、ぱっと表情を明るくする。
「え、そうなんだ!」
声に、
驚きと一緒に、
素直な笑いが混じる。
「全然知らなかった。
直くん、そういうの言わないから」
くすっと笑ってから、
由里はひかりに向き直り、
少しだけ楽しそうに言った。
靴を脱ぐ音が聞こえた。
続いて、
控えめな足取り。
ひかりは、
リビングの手前で立ち止まり、
小さく背筋を伸ばす。
先に姿を現したのは、
直だった。
そのすぐ後ろに、
由里が続く。
室内に入った瞬間、
由里の視線がひかりに向かう。
一拍。
直が、
迷いのない声で言った。
「……ひかり。
俺の、恋人」
それだけ。
余計な説明も、
照れた様子もない。
事実を、
そのまま置くみたいな言い方。
その声を聞いたとき、
ひかりは、
ほんの一瞬だけ引っかかった。
直が名前を呼ぶとき、
その響きだけが、
少しだけ特別に聞こえた。
理由は分からない。
ただ、
他人に向ける呼び方とは、
どこか違う気がした。
ひかりは、
その言葉を受け取ってから、
静かに頭を下げた。
「はじめまして」
由里は、
一瞬きょとんとして、
それから、ぱっと表情を明るくする。
「え、そうなんだ!」
声に、
驚きと一緒に、
素直な笑いが混じる。
「全然知らなかった。
直くん、そういうの言わないから」
くすっと笑ってから、
由里はひかりに向き直り、
少しだけ楽しそうに言った。
