仕事を切り上げようとした頃、
ひかりのスマートフォンが震えた。
――着いた。
短い一文。
それだけで、
誰からかは分かる。
建物を出ると、
ルミエールの前に、
見慣れた車が停まっていた。
直は、
エンジンを切ったまま、
ハンドルに手を置いて待っている。
仕事帰りのままの服装。
でも、
バーに立っているときより、
少しだけ力が抜けた顔。
今日は、
前からひかりの家に泊まる約束をしていた。
だから直は、
無理のない範囲で、
店を早めに切り上げている。
「お疲れさま」
窓を下ろして、そう言う。
「ありがとう。
待たせた?」
「全然」
即答。
その言い方が、
迎えに来た人のものだった。
助手席に乗ると、
ドアを閉める音が、
今日の仕事の区切りみたいに聞こえた。
「このあと、
そのまま行く?」
確認する声。
ひかりは頷く。
「うん。
今日は泊まるつもりだったから、
もう買い物も済ませてある」
直は、
それを聞いて小さく息を吐く。
「じゃあ、何作ってくれるか楽しみにしてる」
それだけ。
でも、
その一言で、
今夜が“約束された夜”だと分かった。
ひかりのスマートフォンが震えた。
――着いた。
短い一文。
それだけで、
誰からかは分かる。
建物を出ると、
ルミエールの前に、
見慣れた車が停まっていた。
直は、
エンジンを切ったまま、
ハンドルに手を置いて待っている。
仕事帰りのままの服装。
でも、
バーに立っているときより、
少しだけ力が抜けた顔。
今日は、
前からひかりの家に泊まる約束をしていた。
だから直は、
無理のない範囲で、
店を早めに切り上げている。
「お疲れさま」
窓を下ろして、そう言う。
「ありがとう。
待たせた?」
「全然」
即答。
その言い方が、
迎えに来た人のものだった。
助手席に乗ると、
ドアを閉める音が、
今日の仕事の区切りみたいに聞こえた。
「このあと、
そのまま行く?」
確認する声。
ひかりは頷く。
「うん。
今日は泊まるつもりだったから、
もう買い物も済ませてある」
直は、
それを聞いて小さく息を吐く。
「じゃあ、何作ってくれるか楽しみにしてる」
それだけ。
でも、
その一言で、
今夜が“約束された夜”だと分かった。
