レイの個人試験で担当になったベールは「なんだかなぁ〜…」とため息つくと試験の途中だと言うのに曲を止めてしまった。
「……キミらしくないね。はっきり言って全然ダメ。今日はもう歌うのも踊るのもやめておこう」
「待ってよ!なんで!?歌だってダンスだって何処も変なとこなんてなかった!」
「いや違う。今日のキミはキミらしくない。まるで違う人を見てるようで全く面白くない」
「上手になったって意味じゃなくて?」
「その逆。まるで誰かを真似てるようでキミがキミじゃなくなっている。いつも魅せてくれたキミの色が失われている……いったい何があったんだい?」
「何がって…何が?私はいつも通りに歌ったし踊った!私は私よ?」
「今日はもう終わり。ポイントもなし。…あぁ、さすがにご飯抜きじゃ可哀想だからお昼はグラタンパイでも買ってあげよう。リュカもあのパイは好きだったはずだよね」
書類を机でトントンと並べて持つと立ち上がってベールは音楽室を出て行こうとした。「待ってよ!」とレイは慌てて追いかけた。
「らしくないって何よ!?何処がダメだったのよ!?言ってくれなきゃ分からない!!」



