『…はぁっ……はぁっ……っつ、待って……待ってよ!パパ!!何処に行くんだよ!?置いてかないでよっ!!僕も連れてって……』
ボストンバック片手に背を向け何処かに歩いてってしまう父親に向かって5歳のリュカが必死で小さな手を伸ばすと『ダメよ』と誰かがリュカの腕を掴んで立ち止まらせた。母親のマリーだった。
『離してよママっ!!パパが何処かに行っちゃっても良いの!?僕そんなの嫌だよっ!!パパと一緒に居たいよ!!』
『あの人はもう貴方のパパじゃないの』
『…えっ?』
『貴方のパパは今日からこの人よ…』
リュカがゆっくり振り返ると そこにはリュカが全く知らない男が居て その人はリュカに向かって『今日から宜しくね』と優しく微笑んで そして…
『お前さえ居なければ良いのに!あの男と同じ顔をしてるお前を見てると腹が立ってしょうがないんだよっ!!お前さえ居なければ…お前さえ居なければっ!!』
男は激しく怒り狂った顔つきでリュカに向かってガラスの灰皿をおもいきり投げつけた。…



