魔法学校☆アルミラージ

 暗い場所でも淡いピンク色で優しく光っているフランフランを連れて 銀の起き皿に乗った蝋燭片手に1人暗い廊下を歩いていたエレノアは限られた者しか立ち入る事が許されないローゼットマリーの部屋の前まで来て立ち止まると ドアの前でひとつ深呼吸してから鍵を開けるとゆっくり中に入って行った。

ローゼットマリーとはこの学園の創設者で蜂蜜の魔法を使う事で有名な魔法使いで、彼女の歌とダンスはかつて春夏秋冬4つの国を全て 癒しと希望の力がある金色の薔薇の花で包み込み人々の心をあたたかくさせ皆を笑顔にさせたと伝説を残した。

そのため昔ローゼットマリーが生きていた頃 学園長室として使われていたこの特別な部屋はツヤツヤな蜂蜜で出来ており、壁全体がハニカム柄の形をした穴があってそれは棚代わりになってありそのひとつひとつの穴の中には様々な魔法の力をやどした たくさんの魔法石が飾られてある。

キラキラと眩い蜂蜜色の光りに照らされながらフランフランと共に部屋の奥に進んで行くと 部屋の中央に一際輝きを放っている大きな金の兎のオブジェ・アルミラージが置かれてあった。そのオブジェの首には金色のチェーンに通されたハニーアンバーの石が付いた金色の指輪がかけられてあった。エレノアはそのアルミラージの前で歩みを止めると少し目を細めて黙ってそれをじっと見つめた。

「……先代の学園長様、どうか私の声が聞こえていたら答えてはいただけないでしょうか?占星術教師・リリーの相棒、魔法の水晶玉が我々に見せたのです。近々この学園にとてつめなく大きな雷が落ちると。その理由は未だ分かってはいません。私はこの学園とこの学園に通う生徒達皆を愛しております。私はどうしてもこの学園を守らねばなりません。どうか私にこれからどうしたら良いか助言をしてはいただけないでしょうか?お願いいたします」

頭を下げて頼むエレノアの隣でフランフランもエレノアと同じようにお願いしますと言ってるみたいに「キュイキュイ!」と言ってぺこりと頭を下げた。 

しかしアルミラージは何も返事をしなかった。

エレノアは悲しそうに息を吐くと「フランフラン、戻りましょう」と言って背を向けて部屋を出て行こうとした。

すると突然背後から 「エレノア」と声が聞こえてきた。

びっくりしてエレノアとフランフランが慌てて振り返るとさっきまでただいつものように輝いていただけのアルミラージが見た事ないほどパアァァアァと輝き出していた。