帰宅したベールはテーブルに乱雑に投げられていた楽譜を手に取ってシワになってしまった部分を丁寧に直してやりながら ソファーの端に蹲っているレイの向かい側の椅子にゆっくり腰掛けた。
「無理に聞くつもりはないけど良かったらキミの悩みを聞かせてもらえないかね?聞かせてもらった上で僕があれこれ答えた事でキミの心が晴れやかになると言う保証は全くないけど 1人で溜め込んでおくよりは100倍良いと思うよ」
「話したって分からないわよ…」
「話してみなければ分からない」
アシェルが作った曲が印刷された楽譜を眺めながらベールは楽しそうに鼻歌を歌った。むつけて蹲っていたレイはしばらくそれを聞いてから少し経って ぼそぼそ話し始めた。
「……この間 学園で初めて生徒会長の…ルイーズさんの歌とダンスを見たの」
「あぁ、知ってるよ。素敵だっただろう?」
「圧倒的にね。あんまりにも凄過ぎてあの人を追い越さなきゃならないんだって思ったら…」
「怖くなっちゃったのかい?」
レイは悔しそうに顔を歪めると静かに頷いた。



