あの頃 散々義理の父親から言われ続けたお前なんかさっさと居なくなれと言う言葉を思い出してリュカは泣きながら歯を食い縛って立ち上がると 目に見えない足にからまりついた鎖を自分で引きちぎるように 足を上げて踊り出した。
今まで義理の父親に虐められ続けて何回泣いたかなんてもう分からない。だけどあんな奴に負けたくなかった。自分はあんな大人にだけは絶対ならない。自分のように泣いてる人を 生きてて良いんだよ、キミは悪くないんだから と抱き締められるような優しい人間になりたかった。
あぁそうだ…そうだよ…だから俺はレイの手を握り返して歌とダンスの…音楽の世界に飛び込んだんだ…こんな自分のちっぽけで脆い命を繋ぎ止めてくれたノアのためにも生き続けなくちゃと強く思ったから…自分が生きられる場所を自分で見つけに行かなきゃと思ったからレイと一緒にきっとそこにあるかもしれないほんのひと握りあるかないかの未来を探しに勇気を出して駆け出したんだっ……!
心のどこかでまだ義理父《あんな奴》に縛られていたあまり1番になる事に囚われ過ぎて周りにきつい事ばかり言っていた自分を馬鹿だと思った。
忘れていた大切な事を、大切な人を思い出して もう本当の自分に生まれ変わるんだと思いリュカは泣きながら歌い踊り続けた。
生きる事は簡単じゃない だけどせめて誰かのために馬鹿みたいにがむしゃらに足掻いて未来《まえ》に進む事をたまにはしてみても良いんじゃないかと思う。生きる事は簡単じゃない だから人は時には悔しがって時には悲しくなって大泣きして それでも生きていたいから だから人は泣きながら歯を食いしばって足で地面を踏みつけて立ち上がるんだ。生きる事は簡単じゃない だけど生き方は下手くそで良いから 死なないで生き続けるんだ。そうすればいつかきっと何処かで必ず生きてて良かったと思える輝きに一瞬でも出会える日が来るはずだから…。
ーさよなら 昔の 俺…!
待ってろ、ノア!俺は絶対お前だけは1人にしないっ お前が俺が初めて出会った生きる希望の輝きだからっ!!



