そして、私の身体は自然と、次のフェーズへと移行した。
両腕が、まるで意思を持ったかのように頭上に掲げられる。
「さあ、見なさい!! これが、生命の神秘!! 深海よりも深い愛の叫び!!」
私はそのまま両腕をブルブルと震わせながら、エビが求愛する時のあのダンスを激しく踊り始めた。
傘は脇に抱え、雨の中で両腕を突き上げる私は、完全に水辺の狂気だ。
そう、これよ! 今朝の夢の中で、披露宴会場のまばゆい光の下、拍手喝采を浴びて世界を黙らせた、あの伝説の余興。
アンコール! アンコール!と声が鳴り止まなかったあの輝かしい記憶。
あの披露宴会場を感動(?)の涙で包んだ。けれどあれは夢、練習だったんだ。それが今、この校門前で結実する……!
「クラステーション・ラヴ!! あなたたちの心の闇を照らす光となれぇぇぇ!!!」
私は叫び、傘を脇に抱え、両腕を前に突き出す。
指先まで神経を行き渡らせ、第一腹脚が存在している前提で、腕を高速振動させる。
ブルブルブル、と。
雨粒が空気を切り裂き、私の周囲に「エビの波動」が渦巻いた。
見てて、夢の中の私!
あなたが磨き上げたこのエビダンスが、今、現実の不良たちの戦意を根こそぎ奪っているわよ!!
「おい、なんだあれ!?」
「き、気持ち悪っ……!」
「精神攻撃だ!!」
傘のスプラッシュ攻撃には耐えられた不良たちも、披露宴クオリティ(?)の「雨の中のエビダンス」には完全に引いていた。
