最強女子にも帰る場所がある~Choice your back home~

「雪斗。」

「…はぁ、息詰まるかと思った…。」

「そんなに?」

「いや、好きな子からの告白だよ?まさかの五分の一…奇跡だよ。」

「雪斗は、最初から美夜としての私もジェヘナとしての私も両方見てくれていた。そして、私の全部を受け止めてくれた。」


 それが、雪斗を好きになった理由。

 最初は本心を何もかも見透かされそうで怖かった。

 だけど、雪斗にもまた人には言えない秘密を抱えている。


「雪斗が私を受け止めてくれたように、私も雪斗を受け止めたい。」

「……俺を選んでくれてありがとう。絶対、幸せにする。」

「うん、私も雪斗を幸せにする。」


 あれから月日は流れ、私はOLとして雪斗はヤクザの組長として生きている。

 しかし、どうしても解せないことがあるのだ。


「………。」

「……美夜、そんな怖い顔をしてどうした。」

「別に…。」

「いや、別に…の顔してないぞ。」


 雪斗は中学時代の完璧王子様を引き継いで、今となっては完璧帝王として裏社会に君臨しているのだ。

 おっかないところはときどきあるけど、宣言通り大切にしてくれる。

 しかし、先日のこと。

 押し入れを見たらなんと別の女性の缶バッチやぬいぐるみ、写真などがたくさんあった。

 これは浮気だろうか?

 と聞きたいのを我慢している。

 仮に聞いてみて、「うん、そうだよ。」なんて言われても立ち直れない。

 だけど、聞きたい。

 と葛藤を繰り返している。


「……なぁ、本当にそろそろ何があったか教えてくれる?気になってそろそろ不眠症か円形脱毛症になりそうなんだけど。」

「……押し入れの中…。」


 それだけを聞いて瞬時に何かを察したのか、雪斗のさっきまでの笑みが凍る。


「やっぱり、浮気なんだ…。」

「ちょ、ちょっと待ってよ。あれは、小六の頃から推しているアイドルなんだって!」

「へ?推し??」


 それから、雪斗の推しのアイドルに対する熱量が異常なのを知った。


「いや、美夜にはいつか言える時が来たら…って思ってて…。それに、ドルオタなんて知られてドン引かれたらショックだったから。」

「なるほど…。だったら、私もブルース大西☆推しとしてオタクになる!」

「は?」

「ねぇ、いいでしょ。雪斗だけ女の子を推して私は推せないなんて不平等じゃん。」

「……う、うん。」


 雪斗は渋々承諾した。

 ちなみに、ブルース大西☆のドラマは、あの後最終回の評判が良くてブルース大西☆は一流芸人として今やテレビでは見ないくらいに活躍している。

 ちなみに、最終回はDV夫にブルース大西☆は勝って、やっと本当の平穏が始まるかと思いきや新たなライバル登場である。

 だけど、ブルース大西☆は


『…ま、いっか。これはこれで。』


 と笑っていた。

 どれだけ幸せで愛されていたも、人は欲張りだから不安は消えない。

 でも、そんな不安ごと隣に立って包み込んでくれる人がいる。

 それが雪斗だった。