最強女子にも帰る場所がある~Choice your back home~

 体力測定が終わり、ある日の五月上旬。

 すっかり桜は舞い落ちて、今は緑が生い茂っている。

 不思議なことに、葉っぱの状態を葉桜と世間では言うらしい。

 夏の気配がする今日この頃、クラスでは


「球技大会が近々あるので、一人一種目参加したい競技を選んでくださいね~。」


 そう、二週間後には球技大会が行われる。

 ちなみに、男女混合チームだ。

 しかし、競技の種目を見てもサッカー、バスケットボール、ドッチボール、野球、バレー…がある。

 困ったことに私はどれも見たことがあるだけで、してみたことはないしルールだって知らない。


「美夜~、何にするか決まった~?」

「まだ。」


 蘭はあの誘拐された夜から真っすぐ家に帰るようにしているらしい。

 よほど、怖かったのだろう。

 しかし、本人は何事もなかったかのように振る舞っている。

 これが、普通なのだろうか?


「じゃあさ、俺と一緒にバスケやろうぜ!」

「バスケ分からないし、やったことない。」

「は?嘘だろ?流石に小学校とかでやったことあるだろ。」

「……。」


 そう言えば、私がボスに拾われた翌日の体育は初めてのバスケの授業があったはず…。

 しかし、普通の人はそんなこと言わない。


「バスケの授業の期間だけ体調崩したりして受けれてない。」

「へぇ、そうなんだ……ってなるか!おかしいだろ。バスケのときだけ体調悪くなるとか。」

「バスケアレルギーなのかも…。」

「ねぇよ!そんなアレルギー。」


 そんな会話をしている隙に、


「月下さん、あの…サッカー以外空きがないからサッカーに入ってくれる?」

「はい、大丈夫ですよ。」

「あ、俺サッカー部だから教えてやるよ!」

「うん、ありがとう。」


 こうして私の球技大会の種目はサッカーとなった。


「球技大会は他クラス・他学年と親睦を深めるためにあるので、くれぐれも怪我をしたり喧嘩をしたりしないように。」

「ん?勝つためでは?」

「「違ぇよ!」」