英が部活に来なくなって一週間が経った。
学校には来ているみたいだった。
ついでに、ブルース大西☆のドラマも諸事情で放送されず、今週は見れなかった。
記憶を頼りに英の家に向かう。
「変わってないな…。」
子供の頃、二人でよく歩いていたイチョウ並木を歩く。
あちらこちら変わってない。
あれ、何かが脳裏を過ったような気がする。
なんだっけ?
大事なことだったような気がする…。
結局何も思い出せないまま、英の家に着いてしまい、昔と変わらない玄関のチャイムを鳴らす。
「……英、いる?美夜だよ。」
ガチャッとドアの鍵が開く音がして、顔を覗かせる英。
その顔は私が知る英だった。
「え!?美夜ちゃん?どうしたの?え、ていうか、僕の家に来たの久々じゃない?」
教室で見た英とは別人かっていうぐらい子犬感溢れている…。
「……なかなか部活に来ないから心配した。」
「え?そうなの?というより、よく僕の家来たね。」
「うん。久々だから、家に入っていい?」
「うん!入って入って~。」
「ありがとう。これ、英が好きなお菓子。」
「わぁ!覚えていたんだ、嬉しい!」
無邪気に喜んでいる英。
だけど、心が見えない。
私は何回この笑顔を見てきただろうか。
しばらくして、英の部屋に通される。
「変わってないね。」
変わったところといえば、教科書がたくさんあって小学一年生ではなく中学一年生になっというところ。
そして、布団が恐竜とかから無地でシンプルなもので子供っぽさはなくなったということ。
「英、最近大丈夫?」
なんて言って本題に入ればいいか分からなかった。
こんなときに、雪斗がいればよかったんだけど…。
いや、ちゃんと私一人で向き合わなくちゃ。
私の遠慮な変化球ではない、ストレートな質問に英はいつものように笑っている。
「うん?大丈夫だよ?どうしたの、急に。」
「全部、聞いた。英が一人でいるのも見た。」
「………全部?」
英の笑顔が一瞬消えたような気がした。
「うん、全部。ねぇ、本当の英はどこ?」
そう言った私に英は今度こそ英は笑顔を消した。
「俺さ、ずっと我慢したんだよね。」
瞳の中から光が消えた。
その瞳は何人も見てきた。
大抵、その瞳をする人間は堕ちた人だ。
「俺、不和なの嫌いなんだよね。」
「どうして?」
「余計、俺が我慢しないといけないから。不和なほどニコニコ笑っている顔を浮かべて、相手と場の空気を読んで先回りしてさ…。疲れんだよ。」
「………。」
私はそういうのをしたことない。
昔の英は泣き虫でも堕ちた瞳をしたことない。
「疲れるのに、そんなことするの?」
「そのほうが平和だからだよ。あいつらはさ、勝手なこじつけで火に入って結局、被害者面してさ。そんなんで、俺にも迷惑かかってストレスなんだよね。」
「そっか。」
「今のようにしなかったらさ、またイジメられんだよ。」
英は私がいなくなってからこうして、自分を守っていた。
もし、私がボスに着いていくのをのを拒んで、ずっと英の隣にいたら英はこういう想いはすることはなかっただろうか?
でも、私はボスに着いて行ったあの日の選択を後悔したとも間違いだったとも思わない。
選んだ選択をこっから正解にしていくんだ。
「英はさ、それ楽しい?」
「楽しくないに決まってるじゃん。」
即答で返された。
「だったら、そのことをクラスの皆に…。」
「言ったよ!」
初めて英が大声を出した。
なるほど、これがキレる…ということ…。
って、そんな分析は後にして…。
「言ったからこうなったんだよ!美夜はいいよな。イジメられても強いんだからさ。弱虫の俺は怯えて…。美夜には俺の気持ちは分かんねぇよ!」
それが、英の本音だろう。
それに、私が全く分かってないことを見抜いている。
「うん、分からない。」
本音で言われたのなら、私も本音で答えないと。
「だって、私は強いもん。でも、強いから人の心を伺ったことも考えたことない。考える前に殺しちゃえばいいから。」
「は?」
「殺し屋していたの、私。」
「は!?」
「六年前…ちょうど、今日が殺し屋のボスに誘われた日だった。」
思い出した、今日はあのイチョウ並木の下でボスから殺し屋へ誘われたんだった。
そして、英の家で遊んだ帰りだった。
「……なんか久々に会ったとき違和感があったのも、昔より運動神経が良くなっていたのも…。」
「うん、訓練した。」
「………。」
英がドン引きしている。
それはそうか。
全部話そうとした。
だけど、それを止めたのは英だった。
「いいよ、何も話さなくて。」
「え?」
「美夜のことだもん。どうせ、無双したんでしょ。」
「……よく分かったね。」
「言ったじゃん。子供の時に美夜博士になるって。」
「ふふっ。言ってたね。」
「うん。でも、美夜が殺し屋とか関係ないや。やっぱりどんな美夜でも好きなのは変わらないよ。」
「ありがとう。」
その後しばらく英とは話した。
もう、英の瞳には光が戻っていた。
あの本音と一緒に壊れかけた仮面ごと溢れて、前より英の瞳の光は輝いていた。
学校には来ているみたいだった。
ついでに、ブルース大西☆のドラマも諸事情で放送されず、今週は見れなかった。
記憶を頼りに英の家に向かう。
「変わってないな…。」
子供の頃、二人でよく歩いていたイチョウ並木を歩く。
あちらこちら変わってない。
あれ、何かが脳裏を過ったような気がする。
なんだっけ?
大事なことだったような気がする…。
結局何も思い出せないまま、英の家に着いてしまい、昔と変わらない玄関のチャイムを鳴らす。
「……英、いる?美夜だよ。」
ガチャッとドアの鍵が開く音がして、顔を覗かせる英。
その顔は私が知る英だった。
「え!?美夜ちゃん?どうしたの?え、ていうか、僕の家に来たの久々じゃない?」
教室で見た英とは別人かっていうぐらい子犬感溢れている…。
「……なかなか部活に来ないから心配した。」
「え?そうなの?というより、よく僕の家来たね。」
「うん。久々だから、家に入っていい?」
「うん!入って入って~。」
「ありがとう。これ、英が好きなお菓子。」
「わぁ!覚えていたんだ、嬉しい!」
無邪気に喜んでいる英。
だけど、心が見えない。
私は何回この笑顔を見てきただろうか。
しばらくして、英の部屋に通される。
「変わってないね。」
変わったところといえば、教科書がたくさんあって小学一年生ではなく中学一年生になっというところ。
そして、布団が恐竜とかから無地でシンプルなもので子供っぽさはなくなったということ。
「英、最近大丈夫?」
なんて言って本題に入ればいいか分からなかった。
こんなときに、雪斗がいればよかったんだけど…。
いや、ちゃんと私一人で向き合わなくちゃ。
私の遠慮な変化球ではない、ストレートな質問に英はいつものように笑っている。
「うん?大丈夫だよ?どうしたの、急に。」
「全部、聞いた。英が一人でいるのも見た。」
「………全部?」
英の笑顔が一瞬消えたような気がした。
「うん、全部。ねぇ、本当の英はどこ?」
そう言った私に英は今度こそ英は笑顔を消した。
「俺さ、ずっと我慢したんだよね。」
瞳の中から光が消えた。
その瞳は何人も見てきた。
大抵、その瞳をする人間は堕ちた人だ。
「俺、不和なの嫌いなんだよね。」
「どうして?」
「余計、俺が我慢しないといけないから。不和なほどニコニコ笑っている顔を浮かべて、相手と場の空気を読んで先回りしてさ…。疲れんだよ。」
「………。」
私はそういうのをしたことない。
昔の英は泣き虫でも堕ちた瞳をしたことない。
「疲れるのに、そんなことするの?」
「そのほうが平和だからだよ。あいつらはさ、勝手なこじつけで火に入って結局、被害者面してさ。そんなんで、俺にも迷惑かかってストレスなんだよね。」
「そっか。」
「今のようにしなかったらさ、またイジメられんだよ。」
英は私がいなくなってからこうして、自分を守っていた。
もし、私がボスに着いていくのをのを拒んで、ずっと英の隣にいたら英はこういう想いはすることはなかっただろうか?
でも、私はボスに着いて行ったあの日の選択を後悔したとも間違いだったとも思わない。
選んだ選択をこっから正解にしていくんだ。
「英はさ、それ楽しい?」
「楽しくないに決まってるじゃん。」
即答で返された。
「だったら、そのことをクラスの皆に…。」
「言ったよ!」
初めて英が大声を出した。
なるほど、これがキレる…ということ…。
って、そんな分析は後にして…。
「言ったからこうなったんだよ!美夜はいいよな。イジメられても強いんだからさ。弱虫の俺は怯えて…。美夜には俺の気持ちは分かんねぇよ!」
それが、英の本音だろう。
それに、私が全く分かってないことを見抜いている。
「うん、分からない。」
本音で言われたのなら、私も本音で答えないと。
「だって、私は強いもん。でも、強いから人の心を伺ったことも考えたことない。考える前に殺しちゃえばいいから。」
「は?」
「殺し屋していたの、私。」
「は!?」
「六年前…ちょうど、今日が殺し屋のボスに誘われた日だった。」
思い出した、今日はあのイチョウ並木の下でボスから殺し屋へ誘われたんだった。
そして、英の家で遊んだ帰りだった。
「……なんか久々に会ったとき違和感があったのも、昔より運動神経が良くなっていたのも…。」
「うん、訓練した。」
「………。」
英がドン引きしている。
それはそうか。
全部話そうとした。
だけど、それを止めたのは英だった。
「いいよ、何も話さなくて。」
「え?」
「美夜のことだもん。どうせ、無双したんでしょ。」
「……よく分かったね。」
「言ったじゃん。子供の時に美夜博士になるって。」
「ふふっ。言ってたね。」
「うん。でも、美夜が殺し屋とか関係ないや。やっぱりどんな美夜でも好きなのは変わらないよ。」
「ありがとう。」
その後しばらく英とは話した。
もう、英の瞳には光が戻っていた。
あの本音と一緒に壊れかけた仮面ごと溢れて、前より英の瞳の光は輝いていた。

