最強女子にも帰る場所がある~Choice your back home~

 文化祭の片づけが終わり、家に帰る。

 ちょうど、この時間はブルース大西☆が出ているドラマがあって、制服から着替えずにそのままドラマを見る。

 前回はブルース大西☆が千佳さんを遊園地デートに誘い、観覧車にて告白した。

 そして、千佳さんの返事は…。


『………ありがとう、大西君。こんな私を好きだって言ってくれて…。』

『い、いえ…。こんな私って言わないでください…。』


 千佳さんは微笑を浮かべ、


『でも、ごめんなさい…。私は、婚約者がいるの。』

『へ?』

「婚約者?」


 って、何?

 辞書をパラパラと捲ると、婚約者とは結婚を約束した人を指す。

 つまり、千佳さんは半分既婚者っていうこと?

 じゃあ、なんでブルース大西☆とデートをしているんだろう?


『で、でもっ。お願いがありまして…。私は、孤児なので大西君には父の代わりにバージンロードを一緒に歩いて欲しいと思いまして…。』

『………お任せください!』


 泣きながら引き受けるブルース大西☆。

 ………もしかして、私あの四人に告白されて返事をしたとき、皆を傷つけた?

 急に不安になる。

 返事に限らず、告白したのにいつものように話しかけて…。

 そう言えば英が


『僕、来てくれないかと思った。』


 と言ったのも、


『つ、月下さん。蘭に何か用事があるの?』

『これ、蘭に渡してほしくて。衣装出来たから。試着してもらいたいの。』

『あ、あぁ…。俺らで渡しとくよ。』


 蘭に衣装を渡そうとしたときに、蘭の友達が蘭の代わりに受けっとったのも…。

 全部、普通にしようとしていた私の行動は、皆を傷つけていた?


「…っ。」


 キュッと、クッションを持っている手が強くなる。

 私が、普通だったら…全部分かってたのかな?

 そう思っているうちに、ドラマは進んでいき、千佳さんの結婚式へ。

 白い純白のドレスに身を包んだ千佳さんは新郎に愛を誓い、キスをする。

 そのシーンにふと、蘭に文化祭のときにされた感覚が蘇った。

 気づけば唇に触れていた。


「…あれは、きっと演技で…。」


 蘭が皆にどうしてキスをしたのか聞かれていて、その時に蘭だって


『そのほうが…り、リアリティあるだろ!』


 と言っていた。

 ドラマはあっという間に終わり、私はテレビの電源を切って久々に散歩をする。