文化祭の準備期間もいよいよ終盤に差し掛かって来た。
そんななか、私のクラスは文化祭の準備などで疲れやストレスを感じているのか、険悪な雰囲気になっていく。
「じゃあ、月下さん今日もこれお願いね。」
「うちら用事があるからさ~。」
今日も今日とて小道具を作る。
そんななか、幸子ちゃんと咲奈ちゃんが庇ってくれた。
「ねぇ、佐野さん達さ。最近美夜に仕事押し付けすぎ。美夜は大道具係でしょ。」
「美夜が可哀想。」
「はぁ?当然じゃん。無自覚な性悪女はこれくらいやらないと分からないんじゃん。」
“無自覚な性悪女”…これが私に貼られたレッテルらしい。
「だって、蘭を振っておきながら罪悪感なんてないんでしょ。しかも、霞先輩と帰ったりしてさ。」
私が霞先輩と帰っていたのはすぐに学校中に広まった。
「どんだけ、人を振り回せば済むわけ?」
「そうやって、自分のやっていることを正当化するの?」
咲奈ちゃんと幸子ちゃん、佐野さん達の間に流れる空気がピリッとしている。
「………もういいよ。咲奈ちゃん幸子ちゃん。私は気にしてないから。」
「美夜…。」
「美夜はそれでいいの?」
「フン、本人がそれでいいって言ってんならいいんじゃない。」
心配した眼差しの咲奈ちゃん幸子ちゃんと対照的に勝ち誇ったような笑みを浮かべる佐野さん達。
「……これが蘭を振った報いだと言うなら甘んじて受け入れるよ。」
「は?何言ってんの。」
「だけど、二人を傷つけたりしたら許さないから。この二人は大切だから。」
その言葉に佐野さんの勝ち誇った笑みから、憎悪が混じった顔に変わった。
「じゃあ、蘭は大切じゃなかったの!?」
そう言って、文化祭で使っていたハサミを手に取り、私に向かってくる。
こういう場面はジェヘナのときにたくさん経験してきた。
やはり、怒り任せに敵に向かってくるのは太刀筋、体幹、などがブレブレになる。
私は彼女のハサミを余裕で受け止めようとする。
しかし、直前で
「はーい、ストップ。」
雪斗が佐野さんの手を掴んで阻止した。
「雪斗…。」
「……白河君…。何しに来たの。離してよ。」
「何しに来た?って、聞かなくても分かるでしょ。佐野さんのやろうとしていることを止めているんだよ。佐野さんさ、体育祭で美夜を転ばせようとした先輩を裏で唆していたでしょ。」
……体育祭で私を転ばせようとした先輩?
あ、思い出した。
あの時か。
それを聞いた佐野さんは罪を認めるかのように、膝から崩れた。
「……だって、この女が悪いのよ!私は入学式のときからずっと蘭が好きなのに!なのに、ポッと出のあんたに蘭は夢中になっていって…。蘭が幸せなら諦めようとしたのに、蘭の告白を振って…。私の気持ちの行き場はどうなるわけ!?」
泣きじゃくる佐野さん。
だけど、雪斗はそんな佐野さんを恐ろしいほど冷たい目で見下ろした。
「嫉妬で美夜を傷つけていいと思ってんの?」
「……雪斗、私は無傷で気にしてないから。」
なんとなく嫌な予感がして雪斗を宥めようとする。
「ほら、月下さんだってそう言ってるじゃん。」
「美夜はいいかもしれないけど、俺は許すつもりはないよ?」
教室の気温が三度下がるぐらいの低い声で言う。
しかし、それは一瞬のことですぐに王子様スマイルを浮かべる。
「……じゃ、このことは校長先生も見ていることだし、校長室まで付き添うよ。」
そう言って、雪斗は佐野さんを校長室に連れて行った。
すぐに、教室がいつものように騒がしくなる。
まるで、さっきのことはなかったみたいに…。
いや、なくしたいのかもしれない。
それにしても、さっきの雪斗の王子様スマイル…。
あれはかなり怒っているときのスマイルだった。
「……初めて見た。」
そんななか、私のクラスは文化祭の準備などで疲れやストレスを感じているのか、険悪な雰囲気になっていく。
「じゃあ、月下さん今日もこれお願いね。」
「うちら用事があるからさ~。」
今日も今日とて小道具を作る。
そんななか、幸子ちゃんと咲奈ちゃんが庇ってくれた。
「ねぇ、佐野さん達さ。最近美夜に仕事押し付けすぎ。美夜は大道具係でしょ。」
「美夜が可哀想。」
「はぁ?当然じゃん。無自覚な性悪女はこれくらいやらないと分からないんじゃん。」
“無自覚な性悪女”…これが私に貼られたレッテルらしい。
「だって、蘭を振っておきながら罪悪感なんてないんでしょ。しかも、霞先輩と帰ったりしてさ。」
私が霞先輩と帰っていたのはすぐに学校中に広まった。
「どんだけ、人を振り回せば済むわけ?」
「そうやって、自分のやっていることを正当化するの?」
咲奈ちゃんと幸子ちゃん、佐野さん達の間に流れる空気がピリッとしている。
「………もういいよ。咲奈ちゃん幸子ちゃん。私は気にしてないから。」
「美夜…。」
「美夜はそれでいいの?」
「フン、本人がそれでいいって言ってんならいいんじゃない。」
心配した眼差しの咲奈ちゃん幸子ちゃんと対照的に勝ち誇ったような笑みを浮かべる佐野さん達。
「……これが蘭を振った報いだと言うなら甘んじて受け入れるよ。」
「は?何言ってんの。」
「だけど、二人を傷つけたりしたら許さないから。この二人は大切だから。」
その言葉に佐野さんの勝ち誇った笑みから、憎悪が混じった顔に変わった。
「じゃあ、蘭は大切じゃなかったの!?」
そう言って、文化祭で使っていたハサミを手に取り、私に向かってくる。
こういう場面はジェヘナのときにたくさん経験してきた。
やはり、怒り任せに敵に向かってくるのは太刀筋、体幹、などがブレブレになる。
私は彼女のハサミを余裕で受け止めようとする。
しかし、直前で
「はーい、ストップ。」
雪斗が佐野さんの手を掴んで阻止した。
「雪斗…。」
「……白河君…。何しに来たの。離してよ。」
「何しに来た?って、聞かなくても分かるでしょ。佐野さんのやろうとしていることを止めているんだよ。佐野さんさ、体育祭で美夜を転ばせようとした先輩を裏で唆していたでしょ。」
……体育祭で私を転ばせようとした先輩?
あ、思い出した。
あの時か。
それを聞いた佐野さんは罪を認めるかのように、膝から崩れた。
「……だって、この女が悪いのよ!私は入学式のときからずっと蘭が好きなのに!なのに、ポッと出のあんたに蘭は夢中になっていって…。蘭が幸せなら諦めようとしたのに、蘭の告白を振って…。私の気持ちの行き場はどうなるわけ!?」
泣きじゃくる佐野さん。
だけど、雪斗はそんな佐野さんを恐ろしいほど冷たい目で見下ろした。
「嫉妬で美夜を傷つけていいと思ってんの?」
「……雪斗、私は無傷で気にしてないから。」
なんとなく嫌な予感がして雪斗を宥めようとする。
「ほら、月下さんだってそう言ってるじゃん。」
「美夜はいいかもしれないけど、俺は許すつもりはないよ?」
教室の気温が三度下がるぐらいの低い声で言う。
しかし、それは一瞬のことですぐに王子様スマイルを浮かべる。
「……じゃ、このことは校長先生も見ていることだし、校長室まで付き添うよ。」
そう言って、雪斗は佐野さんを校長室に連れて行った。
すぐに、教室がいつものように騒がしくなる。
まるで、さっきのことはなかったみたいに…。
いや、なくしたいのかもしれない。
それにしても、さっきの雪斗の王子様スマイル…。
あれはかなり怒っているときのスマイルだった。
「……初めて見た。」

