最強女子にも帰る場所がある~Choice your back home~

 学校というものに慣れてきた頃、体力テストというものがあると知った。

 握力、上体起こし、ハンドボール、シャトルラン、反復横跳び…。

 でも、ボスのテストより簡単だった。

 ボスのテストは月一で行われ、基本的にどれぐらい人を殺せるのか測定だったから。

 もちろん相手は武器所持、私は素手である。


「月下さん、握力を測りますよ~。」

「はい、お願いします。」


 体力テストの記録用紙を渡す。

 淡々と計測をしていく。

 シャトルランだけ別日で行われたのだが、


「………。」


 百往復もしていないのにほとんどの人がダウンしていた。

 そのうちに蘭がいた。

 そして、陸上部で期待の星だと言われている人もダウンしていた。


「ちょ、時間がないので…。打ち切り…。」


 百四十でシャトルランは打ち切りになった。


「月下さんは記録用紙に百四十と書くように。」

「はい。」


 記録用紙のシャトルランの欄に百四十と書き終わり、移動していると記録用紙をスッと取られた。


「……は?握力八十、ハンドボール百二十、上体起こし六十回!?は、上体起こしに至っては0.5秒に一回のペースじゃねぇか!?」


 私の記録用紙を奪った張本人は蘭だった。

 どうやら、私の記録用紙にそんなに驚くようなことが書いてあっただろうか?

 普通じゃないだろうか?


「いや。その普通じゃないですか?って言いたげな顔やめろ!」

「え、すみません。」

「いや、いいんだけど!というか、この記録…普通じゃないだろ!」


 どうやら、普通じゃなかったらしい。

 おかしいな。

 これでもいつもとは違って不調だったんだけどな?


「まぁ、こんなもんかと…。」

「なわけあるか!」


 キレのあるツッコミが返ってきた。

 そしてまた、蘭はこの言葉を呟いた。


「ほんと、おもしれぇ女…。」


 この日から何故か蘭に話しかけられることが多くなった。

 これで、普通はどんなものなのか少しは学べそうだ。

 しかし、蘭は顔立ちが最近流行りの塩顔韓国風イケメンらしく、モテモテの生活を送って来たらしい。

 つまり、恋愛の普通は反面教師である、と脳内でメモをする。