最強女子にも帰る場所がある~Choice your back home~

 皆で仲良く食べていたところ、


「あれ、僕のリュックがない。」


 英のリュックがいつのまにかなくなっていた。


「いつから?」

「分かんない。どうしよ、大事なものが入っているのに…。」

「大事なもの?」

「うん。」

「分かった、探しに行ってくる。」


 英の泣きそうな顔を見ていたら体が勝手に動く。

 私と英が出会ったきっかけも英が困って泣いていたのがきっかけだった。

 どれだけ時間が経っても私たちは変わらないのかも。

 森の奥に行って捜索しようとすると、


「おい、待てよ。美夜一人で行かせるわけにはいかない。」

「あぁ、俺らも行く。」

「不審者とかだったら俺が撃退するから任せてね。」

「僕もっ!」

「……分かった。」


 こうして、五人で英のリュックを探し始めた。

 しかし、一向にリュックは見つからない。

 どんどん日も落ちてきた。

 そろそろ夜行性の動物が出てくるだろう。

 そんなときに、


「あった!僕のリュック!」


 英が指さすも、リュックはなんと熊が持っていた。


「お、おい…。ここ辺りって小さい森だぞ?熊なんて住めるはずがない。」


 なるほど、この森がやけに白骨した遺体が多かったのはこの熊が登山者を食べたのか。

 しかも、その熊は何年生きているのか巨大だった。

 あのぽってりとしたお腹に太い腕…。


「………美味しそう。」

「「「「は?」」」」


 つい本音が漏れた。


「ごめん。つい…。だけど、あの熊は人の味を知っている。それから英のリュックを自分のものだと思っている。」

「そんな…。僕のリュックなのに…。」

「………野生の動物にはそんなの関係ないんだよ。」


 熊を観察する。


「じゃあ、美夜。どうするんだよ、あれ。」

「解決策ならあるよ。……ずばり。」

「「「「………ずばり?」」」」

「殺生。」

「いや、熊対中学生五人は無理あるだろ。」

「しかも、直球すぎ。」


 皆から猛反対された。


「分かった。じゃあ、とりあえず戻ろう?」