最強女子にも帰る場所がある~Choice your back home~

 体育祭からしばらく経った真昼。

 向日葵が咲いている通学路を鋭い日差しの中歩く。 

 クラスだけでなく学校中が浮ついていた日だった。

 なぜなら、今日は終業式で明日から夏休みが始まるからだ。

 私もワクワクしている。

 なぜなら…久々に山に籠って修業ができるからだ。

 五月のゴールデンウィークにもしたけど短い期間しか滞在できなかった。

 なので、一か月以上ある夏休み…山での修業がもっとできる。

 そうやって、楽しみに浸っていると夏バテ気味の蘭に遊びに誘ってきた。


「なぁ、美夜~。明日から夏休みじゃん。どっか行かね?」

「蘭は夏休み中に勉強したほうがいいんじゃない?部活とかで忙しいんでしょ?」

「いや、せっかくの夏休みだぞ?いろんなとこに行きたいだろ?来年は俺ら受験生だし。」

「確かに…。」

「だろ?あわよくば美夜と海にでも…。」

「うん?何か言った?」

「いや別に。」


 来年か…。

 私は来年も彼らと五人でこの通学路を歩く日がくるのだろうか?

 もしかしたら、ボスに呼び戻されちゃうかもしれない…。


「俺は部活で合宿漬けか…。」


 アイスのガリガリ君を頬張りながら呟く雪斗君。

 その隣で、


「俺は塾の夏期講習か…。」


 と、呟きながら遠い目をする霞先輩。


「僕はね~、バーベキューでしょ?それからプールでしょ?あとは…。」


 指折り予定を数える英。

 英は他校にファンクラブがあるくらい誰にも愛されているので、休みがないらしい。

 そう嘆きながらも本人は楽しそうだからいいんだけど。


「美夜ちゃんは?」

「山に行ってサバ…キャンプだよ。」

「「「「誰と?」」」」


 なぜだろう。

 皆からのただならぬ圧を感じてしまう。

 一度くらい周辺の気温が下がったような…。


「……一人で、だけど…。」


 そう言うと、張り詰めた空気は一気に溶け、


「あぁ、なんだ一人か。」

「一人か、危ないな。」

「他の男とかと思ったら焦った。」

「じゃぁ、僕も一緒にキャンプ行っていい?」

「へ?」


 英が一緒にキャンプしたいと言い出した。

 しかも、必殺上目遣いをしている。


「……分かった…。」

「やったー!」

「は?じゃあ俺も行く。」

「三人だけだと危ないから俺も行く。」

「じゃあ俺も。」


 こうして夏休みは五人でキャンプすることになった。