最強女子にも帰る場所がある~Choice your back home~

 私が体育祭で出る種目は徒競走と障害物。

 徒競走はただ走るだけだからもちろん一位。

 そして、障害物。

 私は障害物の練習をしていなくてどんなことをすればいいか分からない。

 しかし、前の走者達が去って行くのを見て、不安は消えた。


「意外と簡単…。」


 つまり、運動ができなくても障害物をスムーズにこなすことで早くゴールできる可能性がある。

 障害物はハードル、上下に動いている縄、タイヤ潜り、吊るされたパン…。

 余裕である。

 というより、これで障害物なの?

 そんなことを思っていたら私の番が回ってきて、


「よーい、どん。」


 一斉に走り出し、ハードルを軽々しく次々飛び越える。

 そして次に上下に動いている縄をタイミングに合わせて次々と進む。

 縄をクリアしたらタイヤ潜り。

 タイヤ潜りは重いタイヤを持ち上げてそれを二往復潜り抜けるというもの。

 これも、私が本気を使うまでもなくクリアである。

 さて、最後のパン食いに辿り着き、飛ぼうとしたとき、


「邪魔よ!」


 三年生の先輩である女子に体を横に押されてバランスを崩す。

 しかし、それを利用させてもらう。

 つま先が付いたタイミングでまた飛び、体を回転させる。

 こうすることで、逆に最高到達点まで早く到達することができる。


「は!?」

「今の、四回転していなかったか!?」

「スケートかよ…。」


 先輩がくわえようとしたパンを先に咥えて地面に着地してゴールテープを目指して走る。


「あの女子何者?」


 会場が騒めきだす。

 なにか、事件があったのだろうか?

 パンをくわえたまま一位の旗に行く。

 それを、遠くから見ていた人物たちがいた。


「美夜を押した女子許せない…。」

「少し、灸をすえた方がいいかな?」

「美夜ちゃんを傷つけようだなんて、僕が直々にお仕置きしちゃお☆」


 そんな三人を霞が宥める。


「おい、落ち着けよ。三人とも。顔が怖いぞ。それより、美夜のあのパンをくわえたままなの…。」


 蘭、霞、雪斗、英の声が合わさる。


「「「「可愛い…。」」」」