最強女子にも帰る場所がある~Choice your back home~

 私が美術部に強制入部されることになり一か月が過ぎた。

 その頃には梅雨は空けていて、蝉の声と青空に入道雲が浮かぶようになっていった。

 この時期、学校では三大イベントと言っても過言ではないらしい、体育祭が行われていた。


「……なぁ、美夜。この看板、美夜が描いたんだよな?」

「うん、そうだけど。どうかしたの、蘭。」


 私が美術部に入っての最初の制作が体育祭の看板製作だった。

 しかし、私は小学校二年生以来絵を描いたこともないので、画風は幼稚園児や小学生だ。


「これ…小学生の絵じゃね?」

「頑張って描いたんだけどな…。」


 なんだか小馬鹿にされて悔しい。

 勉強と運動だと蘭に勝てるのにっ…。

 ガクッと項垂れる。


「……可愛い。」

「慰められても嬉しくない。」

「いや絵じゃなくて…。」

「え~?僕は美夜ちゃんの絵可愛いと思うよ!」


 私と蘭の間に英が割り込む。


「英…。」

「ゲ、出た。」

「ね?蘭先輩もそう思いますよね?」

「お、おう。」


 顔を引き攣らせる蘭。

 蘭は英のことがあまり好きじゃない?

 そんな疑問は他所に体育祭が始まった。


「そろそろ開会式だよ。二人とも行こ。」