それからも、塔子は必死に働いた。
不慣れで時間がかかる分は休み時間を削ったり、早出や残業をして仕事をこなした。
自分でも無理をしている自覚はあった。
日に日に疲れが溜まり、食欲も落ちていった。
相変わらず雄平は忙しく、社内でもマンションでも顔を合わせるタイミングのない生活の中で、あと少しがんばればきっと状況は好転するはずと信じて、塔子は頑張り続けた。
「田所さん、これを庶務課に回しておいてもらえる?」
「はい、わかりました」
午後一で秘書課の先輩から渡された庶務課あての書類。
受け取った瞬間、塔子は立ち上がった。
庶務課は塔子が勤務するタカミヤホールディングス本社の下層フロアにあるため、庶務課に書類を届けるには時間がかかる。
やりかけの仕事を抱えている塔子は少しでも早く済ませたいと、書類を持ったまま秘書課を駆け出そうとした。
しかし、数メートル走りだしたところで、塔子の動きが止まった。
―――嘘。私、倒れる。
いきなり目の前が暗転し、何も見えなくなった。
全身から力が抜けていき、自分の体が重力に負けて倒れ込んでいくのを感じた。
そして、最後の記憶は頬に感じた床の冷たさと、駆け寄ってくる足音。
「田所さん、どうした?」
「大丈夫?しっかりして」
「誰か、救急車を呼んでください」
動揺する先輩たちと、焦りを含んだ辻本の声。
塔子は遠のいていく意識の中で、自分に駆け寄ってきた人たちの声を聞いていた。
不慣れで時間がかかる分は休み時間を削ったり、早出や残業をして仕事をこなした。
自分でも無理をしている自覚はあった。
日に日に疲れが溜まり、食欲も落ちていった。
相変わらず雄平は忙しく、社内でもマンションでも顔を合わせるタイミングのない生活の中で、あと少しがんばればきっと状況は好転するはずと信じて、塔子は頑張り続けた。
「田所さん、これを庶務課に回しておいてもらえる?」
「はい、わかりました」
午後一で秘書課の先輩から渡された庶務課あての書類。
受け取った瞬間、塔子は立ち上がった。
庶務課は塔子が勤務するタカミヤホールディングス本社の下層フロアにあるため、庶務課に書類を届けるには時間がかかる。
やりかけの仕事を抱えている塔子は少しでも早く済ませたいと、書類を持ったまま秘書課を駆け出そうとした。
しかし、数メートル走りだしたところで、塔子の動きが止まった。
―――嘘。私、倒れる。
いきなり目の前が暗転し、何も見えなくなった。
全身から力が抜けていき、自分の体が重力に負けて倒れ込んでいくのを感じた。
そして、最後の記憶は頬に感じた床の冷たさと、駆け寄ってくる足音。
「田所さん、どうした?」
「大丈夫?しっかりして」
「誰か、救急車を呼んでください」
動揺する先輩たちと、焦りを含んだ辻本の声。
塔子は遠のいていく意識の中で、自分に駆け寄ってきた人たちの声を聞いていた。



