「失礼します」
副社長室の扉からではなく、副社長秘書執務室に回った塔子が小さく声をかけながら部屋へと入る。
静まり返った部屋。
少し前まで塔子が使っていたデスクは以前のままで、整然としている。
またいつかここで業務ができるのだろうかと考えながら見つめる塔子だったが、副社長室から声が聞こえてきた。
「無理を言うなよ」
「お願いだから」
―――え?
当然、副社長室には誰もいないものと思っていたのだが、なぜか聞こえてくる会話。
1人は若い男性で、おそらく雄平のものだろう。
そしてもう1人は若い女性の声。その声には聞き覚えがあって…。
「だから、秘密にしてほしいの」
―――杏ちゃん?
塔子が動きを止めた。
信じたくはないことだが、聞こえてきた声は、総務課の後輩杏のものだった。
―――そんな馬鹿な。
なぜ、どうして、今この場にいるはずのない人の声を聞いて、塔子は体がすくみ自分の足がガタガタと震えるのを感じていた。
副社長室の扉からではなく、副社長秘書執務室に回った塔子が小さく声をかけながら部屋へと入る。
静まり返った部屋。
少し前まで塔子が使っていたデスクは以前のままで、整然としている。
またいつかここで業務ができるのだろうかと考えながら見つめる塔子だったが、副社長室から声が聞こえてきた。
「無理を言うなよ」
「お願いだから」
―――え?
当然、副社長室には誰もいないものと思っていたのだが、なぜか聞こえてくる会話。
1人は若い男性で、おそらく雄平のものだろう。
そしてもう1人は若い女性の声。その声には聞き覚えがあって…。
「だから、秘密にしてほしいの」
―――杏ちゃん?
塔子が動きを止めた。
信じたくはないことだが、聞こえてきた声は、総務課の後輩杏のものだった。
―――そんな馬鹿な。
なぜ、どうして、今この場にいるはずのない人の声を聞いて、塔子は体がすくみ自分の足がガタガタと震えるのを感じていた。



