静かなる、恋の包囲網

「それと…」

なんだかまた言いにくそうに、雄平が塔子を見る。
塔子は首をかしげて、雄平の言葉を待った。

「お父さんの件なんだが」
「調べてくれたんですか?」

父が今どうしているのか、どんな状況なのか気にならないと言えば嘘になる。
だが、知るのが怖い気もして何もできないままでいた。

「勝手だと思ったが、調べさせてもらった」

そう言ったきり、雄平は口を閉ざした。
おそらく、あまり良い話ではないのだろう。
だからこそ「聞きたいのか?」と尋ねられているのだと思い、塔子は自分から口にした。

「教えてください。どんなことを聞いても驚きませんから」

こうなったら、どんなことからも逃げない。
今日、会議室での堂々とした雄平の姿を見て、塔子はそう決めた。
だから、父のこともすべてを知りたい。